ファイバーコアについて
ファイバーコアとは、グラスファイバーという特殊な素材でできた、歯の土台のことです。(ファイバーポストともいいます。)
歯の土台とは、いわゆる差し歯をつくる際に必要不可欠なもので、神経の治療後、土台を作ってからクラウン(かぶせもの)を制作します。
歯の土台の素材は、以前は金属が主流でした。現在も、保険治療では金属か、金属の芯棒を使ったプラスチックの土台しか認められていません。
金属の欠点として、歯根のしなり具合よりも金属の方が固いため、根の先で応力が集中し、根が割れてしまうことがあります。
また、土台の金属が溶出して、歯茎が入れ墨のように黒ずんでくることもあります。
これらの欠点を克服するために開発されたのが、ファイバーコアです。
ファイバーコアとは、グラスファイバーの繊維を何十にも束ねたガラス繊維強化型樹脂です。
日本では、2003年から認可され使用できるようになりました。
当院では、いち早くペントロン社のファイバーコアを用いた治療を開始しています。
ファイバーコアの特徴
限りなく天然の歯に近いしなやかさ
金属の土台は根に比べて硬く、強い力が加わると根に応力が集中して根が割れてしまうことがあります。
ファイバーコアは根の弾性と限りなく近いしなやかさを持つため、強い応力が加わっても衝撃を吸収することができ、根が割れにくくなっています。
まさに、ファイバーコアは耐震性の土台といえます。
金属を一切使わない 〜メタルフリー治療〜
ファイバーコアはグラスファイバーの繊維を何十にも束ねたガラス繊維強化型樹脂です。
金属を全く使っていないため、金属アレルギーの心配がありません。
金属が一切ないので、金属が溶出して歯茎を黒ずませる心配もありません。
美しい、自然な仕上がり
ファイバーコア自体が白いため、オールセラミックスクラウンをかぶせる際に、光の透過性が良くなり、よりきれいな歯をいれることができます。
(金属の土台だと、オールセラミックスクラウンの場合、金属色が透けてみえてしまうこともあります。)
ファイバーコアの治療ステップ
1)根の治療の終了(前回までのステップ)
根の治療が終了しました。(前回まで)
2)根の土台形成
ファイバーコアが入るくらいの大きさを、ファイバーコア専用の器具を使って根の中に形成します。
(歯の大きさや状態によって深さや大きさは異なります。)
3)ファイバーコアの試適
形成したところにファイバーコアが合うかどうか試適してチェックします。
4)歯面処理
チェック後、歯や根の表面の接着処理を行います。
5)ファイバーコア築造
ファイバーコアを特殊な樹脂と一緒に根の中に立てます。特殊な光を使って完全に固めます。
6)支台歯形成
土台のまわりをきれいに整え、土台を完成させます。
7)クラウン作成へ
クラウン作成のステップへ移ります。
*ほとんどのケースで、短時間(1日)でファイバーコアの築造が可能です。
ファイバーコアはこんな方に最適
- 歯を長持ちさせたい方
- セラミックの歯にしたいと考えられている方
- 金属アレルギーのある方
よくあるご質問
基本的にすべての歯(前歯、小臼歯、大臼歯)に適応できます。
ただし、歯の崩壊が激しく根がほとんど残っていない場合は、金属の土台しかできない場合があります。
個人のお口の状態により適応が変わってきますので、直接歯科医師にご相談下さい。
しかし、保険治療では金属または金属の芯棒をつかったプラスチックの土台しか認められていません。
同じ金属でも、保険適応ではない「白金加金」を用いた金属ならば、アレルギーが起きにくく溶出しにくいため、まだましといえます。
当院では、患者さんのご負担をできるだけ少なくするため、オールセラミッククラウンやメタルボンドクラウンを行われる方で、適応できる方には無料でファイバーコアを使用しております。
いいえ、残念ながら、保険の規約に反するためできません。保険の銀歯でということであれば、「金属の芯棒+プラスチックの土台(保険適応可)」ならば金属のみの土台よりも多少は良いですので、そちらをおすすめします。
(但し、根の状況により金属の土台しか適応できない場合がありますのでご了承下さい。)
いずれの場合も、個人のお口の状態により適応が変わってまいりますので、直接歯科医師にご相談ください。
ファイバーコアの料金
ファイバーコア 10,000円(税別)
当院ではオールセラミッククラウンやメタルボンドクラウンを行われる方で、適応できる方には無料でファイバーコアを使用しております。