ジルコニアセラミック
ジルコニアとは酸化ジルコニウムを安定化させたもので、宝飾品として知られる人工ダイヤモンドと結晶構造は異なりますがよく似た成分でできています。
強度が金属より硬くて軽く丈夫で、腐食がおこらず生体親和性が高く、しなやかさ、美しさを兼ね備えた最高級の審美性材料として、ヨーロッパやアメリカではオールセラミック治療の主流となっています。
日本でも歯科用CAD/CAMシステムが認可され、ジルコニア治療ができるようになり、普及が進んできています。
歯科以外の分野では、スペースシャトルの断熱保護剤や、F1に用いられる車や人工股関節など約15年以上前から使用されています。
ジルコニアセラミックの特徴
金属よりも硬く、しなやかさ、軽さをそなえた素材
ジルコニアはジルコニアは金属より硬いにもかかわらず、非常に軽いのが特長です。また、耐久性、耐熱性にも優れています。
比重:金 約19g/cm3 プラチナ約21g/cm3 パラジウム(保険の金属)約12g/cm3 ジルコニア約6g/cm3
なんと、ジルコニアは金の約3分の1の重さなのです。
長いブリッジを口の中にいれても、重量感を感じることなく快適に使用できることでしょう。
腐食しない、メタルフリーの素材
ジルコニアは唾液に触れても溶け出すことがなく、腐食も変色もしません。
そのため、保険の金属では腐食により起こっていた「2次カリエス」「金属アレルギー」や、プラスチックの歯によくある「長年使っていると変色してくる」などの心配がなくなります。
強度にすぐれた、破損しにくいセラミック素材
ジルコニアは従来のセラミックの約10倍以上の強度があります。象が踏んでもこわれない、ともいわれています。
ジルコニア 900〜1200Mpa アルミナポーセレン(従来のセラミック)60〜80MPa
また、いままで「セラミックは破折しやすい」という言葉を聞いたことはありませんか?
ジルコニアは大きな応力を受けると、結晶構造が変化し、力が分散・吸収されます。
そのため、ジルコニアは曲げ強度、応圧に優れた非常に破折しにくい素材なのです。
光の透過性が高く、透明感の高い美しい素材
今まで、強度がいる箇所を治療するには「メタルボンド」という金属の裏打ちがあるセラミックを使用してきました。
ただ、メタルボンドは金属が光を遮ってしまうため、天然歯のような透明感を出すことが困難でした。また、「将来的に歯茎が下がることにより金属がみえてくる」という審美性の問題もありました。
ジルコニアは金属より強度を持っているので、金属を使わないメタルフリーの治療ができ、透明感のある美しい歯を作ることができます。
生体親和性が高く、安全な素材
ジルコニアは非常に生体親和性が優れ、金属アレルギーの方にも安心して使用していただけます。
もともとジルコニアは人工関節などで長期の実績があり、多くの生体親和性試験をクリアしています。
歯科分野でも、ジルコニアは欧米において既に年間500万本以上使用されています。日本でもジルコニアCAD/CAMシステムが認可されたため、普及が進みつつあります。
ジルコニアセラミックの治療ステップ
1)支台歯形成・印象採得(来院1回目)
→歯科医師が歯の形成を行い、その後、歯の型をとります。
2)模型作成
とった歯型に超硬石膏を流し込み、石膏模型を作成します。
3)レーザー自動計測
非接触レーザー方式により、支台歯・模型の精密な自動測定を行います。
4)CAD自動設計
最先端の人工知能技術を導入したCADシステムにより、クラウンの形状を自動設計します。
5)CAM自動切削加工
ジルコニアブロックを直接自動切削加工し、フレームを作成します。
ブロックから直接削り出す自動切削加工によって、ジルコニア本来の物性を損なわない品質の安定したクラウンが得られます。
6)歯科技工士による微調整
あなたにあった形や色を1本ずつ手作業で微調整します。
7)装着(来院2回目)
歯科医師による最後の微調整を行い、特別な接着セメントにて装着します。
前歯などは特に、装着前に「試適」といって、フィットの具合や色合わせなどのチェックを行う場合があります。
(その場合はもう1回来院日が必要になります。良いものをいれるために必要ですので、ご了承下さい。)
*型をとってから完成まで、約1週間~10日ほどでできあがります。
通常の治療日数と変わらないサイクルでの通院が可能です。
ジルコニアセラミックはこんな方に最適
- 美しくて、強度が強くて耐久性も優れた白い歯をいれたい方
- 前歯を以前メタルボンド(セラミック)にしたが、歯茎がさがって黒い金属色が気になっている方
- オールセラミックにしたいが、歯ぎしりやかみあわせが強くて割れるかどうか心配な方
- いまある最高品質のセラミックをいれたい方
- いまある銀歯を白くしたいと考えられている方
- ブリッジをいれる必要があるが、審美的にも強度も優れたものにしたい方
- 金属アレルギーのある方
よくあるご質問
オールセラミックの場合、土台は白いファイバーコアを使用しないと透明度が高すぎて金属色がでてしまうことがありますが、ジルコニアの場合は金属の土台を使用しても美しく仕上げることができます。
はい、ジルコニアではロングスパンのブリッジにも適用できます。いままでセラミックのブリッジは強度的に不可能でしたが、金属よりも強度が高いジルコニアフレームが可能なので、ブリッジにも適用することができるようになりました。
金属アレルギーの方も安心してご使用いただけます。
ジルコニアクラウンは、歯のすべての面を覆う「クラウンタイプ」の歯です。
ジルコニアセラミックインレーは、歯の一部の面に入れる「詰め物」です。
どちらも虫歯の大きさなどによって変わりますので、どちらが当てはまるか分からない方はお気軽にご相談下さい。
ジルコニアセラミック治療の料金
セラミック治療 | 価格 |
ジルコニア セラミッククラウン |
110,000円(税込) |
ジルコニアクラウン(白い綺麗な歯) | 132,000円(税込) |
ジルコニアセラミッククラウン(自然に近い綺麗な歯) | 154,000円(税込) |
ジルコニア セラミックインレー(メタルを使用しない、小さな詰め物) |
66,000円(税込) |